ノンケ上司に抱かれた夜...大阪出張のホテル相部屋で、彼女持ち体育会系係長と...
大阪出張、ホテル手配ミスで体育会系のノンケ上司・キムラさん(28/係長/彼女歴5年)とツインで相部屋になった夜。消灯から数分後、暗闇の中で隣のベッドが軋み、「起きてるか」「悪いな。ストレスが溜まると、こういうことがしたくなる」——半年片想いしてきた上司の重い体温がベッドに降りてきた、出張先で初めて越えた一夜の体験談。
大阪出張の帰りに、ホテルが取れなかった。
正確に言えば、取れてはいたが、会社が手配したのがツインルームだった。同行した上司のキムラさん(28歳・仮名)と、ダブルルームではなくツインルームだったことだけが、せめてもの救いだった。
キムラさんとはプロジェクトが被ってから半年ほどの付き合いになる。寡黙で仕事が速い、典型的な体育会系の職人気質。28歳にして係長、来年には課長に上がるだろうと言われている。プライベートでは交際五年の彼女がいて、週末はゴルフか筋トレに使っているらしい。
俺は25歳のゲイで、キムラさんの広い背中と、ワイシャツの袖から覗く太い腕を、半年間ずっと意識してきた。
ただの憧れだ、と自分に言い聞かせていた。
クライアントとの夕食が終わったのは午後十時を過ぎていた。
タクシーでホテルに戻る間、キムラさんはずっと黙っていた。接待の席ではよく喋るが、二人きりになると言葉が少なくなる人だ。
部屋に入ると、ネクタイを外しながらシャワー室を顎で指した。「先に使え」
「いえ、キムラさんどうぞ」
「俺は後でいい。先に入れ」
有無を言わさない口調で言われたので、俺がシャワーを先に使った。
キムラさんが入る間、俺はベッドに腰掛けてスマホを見ていたが、なにも頭に入ってこなかった。シャワーの音が壁越しに聞こえる。シャワーを浴びているキムラさんの体を、不覚にも想像した。筋トレで鍛えた広背筋が、湯に濡れている姿。
(考えるな)
心の中で自分を叱って、メールの返信に集中しようとした。
キムラさんがシャワーから出てきた。
バスタオルを腰に巻いただけの格好で、洗面台の前でドライヤーをかけている。上半身が全部見えた。
ゴルフと筋トレで鍛えた体は引き締まっていた。肩周りの筋肉が盛り上がり、背中の広背筋がV字を描いている。腕にうっすらと浮いた血管が、スタンドライトの光に照らされている。
俺は気づかれないように視線を外して、また下を向いた。
「明日、何時集合だったか」
「九時に現地で、っていう話でした」
「そうか。じゃあ七時半に出れば余裕だな」
「はい」
それだけ言って、キムラさんはベッドに潜った。
「電気、消すぞ」
「どうぞ」
カチ、と音がして、部屋が暗くなった。
どのくらい経ったか。
俺は眠れなかった。暗闇の中でシーツの感触だけを感じながら、三メートルほど離れたキムラさんのベッドの気配を意識していた。
規則正しい寝息が聞こえてくると思っていた。
「……起きてるか」
低い声だった。
一瞬、空耳かと思った。でも暗闘の中でもう一度、「なあ」と声がした。
「……はい、起きてます」
「そうか」
それきり黙った。
一分ほど沈黙が続いた。
今度は、キムラさんの気配が動いた。ベッドが軋む音。俺は息を止めた。
すぐ隣——俺のベッドのすぐ脇にキムラさんが立っているのが、暗闇の中でもわかった。
「悪いな」
「……え」
「たまにある。ストレスが溜まると、こういうことがしたくなる」
低い声が、静かに言った。
「彼女とは……最近、うまくいってないから。お前なら外に漏らさないと思って」
俺は返事ができなかった。
「嫌なら断っていい。ただ——お前が相手なら、いいかと思った」
「……キムラさんは、男が相手でも」
「普段はない」
短い答えが返ってきた。それ以上の説明はなかった。
俺はシーツを握ったまま、しばらく天井を見上げていた。暗くて何も見えない。キムラさんの気配が、すぐそこにある。
「……わかりました」
「無理にとは言わない」
「無理じゃないです」
声が掠れた。キムラさんは一秒黙ってから、「そうか」とだけ言った。
俺のベッドにゆっくりと腰を下ろした。シーツが沈む重みが伝わってくる。俺の肩に大きな手が置かれた。
指が分厚い。掌が熱い。
「……俺はやり方がわからないから、お前に任せる」
ぼそりとそう言った。任せる、という言葉に、ノンケ特有の照れ隠しと強がりが混じっていた。お前が主導しろ、だが俺は受け身じゃない——そういう意地が滲んでいた。
「わかりました」
俺は起き上がって、暗闘の中でキムラさんと向き合った。
手をゆっくりと彼の胸に当てた。
厚い。筋肉の密度が、そのまま手のひらに伝わってくる。鼓動が速い。言葉は無表情でも、体が正直だった。
「……っ」
首筋に唇を近づけると、キムラさんが低く息を詰めた。体がわずかにこわばる。
「力、抜いてください」
「……わかってる」
でも抜けていなかった。ノンケが男に触れられることへの、生理的な戸惑いだと思った。俺はゆっくり、丁寧に動いた。首筋から鎖骨へ、鎖骨から胸板へと唇を滑らせながら、手で腹筋のラインをなぞっていく。
少しずつ、キムラさんの体から力が抜けていった。
「……お前、こういうの、慣れてるんだな」
「……少しは」
「そうか」
それ以上は聞かなかった。
ベルトを外すと、キムラさんがごくりと唾を飲むのが聞こえた。ボクサーパンツの布地が盛り上がっているのが、暗闇の中でも手で確かめられた。
「待て」
「……止めますか」
「違う」キムラさんが低く言った。「……覚悟してる。ただ、」少し間があった。「変なふうに思うなよ」
「思いません」
「俺はノンケだからな」
「知ってます」
「……続けろ」
ゆっくりと下着を引き下ろした。
かなり大きかった。28歳の鍛えた体に見合う、迫力のある肉棒が反り返っていた。先走りが既に滲んでいる。
「見てるな」
「暗くて見えてません」
「嘘つくな」
「少しだけ見えてます」
低い笑いが漏れた。キムラさんが笑ったのを聞いたのは、初めてかもしれない。
俺はゆっくりとその根元を握り込んだ。太い。指が回り切らない。熱い鼓動が直接手のひらに伝わってくる。親指の腹で先端をゆっくりと擦ると、キムラさんの腰が静かに浮いた。
「っ……」
声を殺していた。男のプライドで、声を出さないようにしているのがわかった。でも息が徐々に乱れていく。俺が根元から先端まで丁寧に扱き上げるたびに、太ももの筋肉が小刻みに震えた。
「……上手いな」
掠れた声が漏れた。
「上司の言葉とは思えませんね」
「うるさい」
俺は身を傾けて、その熱くなった亀頭に息を吹きかけた。
「待て——お、おい」
驚いた声が出た。止めようとしたが、手が来なかった。
俺は先端を唇でそっと包み込んだ。
「っ……!」
キムラさんの体が大きく震えた。シーツを掴む手に力が入るのが見えた。塩辛い先走りの味と、濃い男の匂いが口の中に広がる。亀頭の形を舌先で確かめながら、ゆっくりと喉の奥まで咥え込んでいく。
「……マジか……」
掠れた声が天井に向かった。
うっ、くぽっという湿った音が暗闇に広がる。俺が舌を裏筋に絡めながら上下すると、キムラさんの腰が小刻みに浮き始めた。声を殺しているが、息が荒い。大きな手が俺の頭に置かれた。押し付けはしなかった。でも離しもしなかった。
「……お前……ちゃんと、止まれるか……」
「意味がわかりません」
「出る前に止まれるかって聞いてる」
「止まりません」
「……そうか」
短い沈黙の後、観念したように長い息を吐いた。
「……勝手にしろ」
俺は頭を激しく動かし始めた。ぬるぬると唾液を絡めながら喉の奥まで深く咥え、締め上げる。キムラさんの腰の動きが速くなり、頭を置いた手に力がこもった。
「……くそ……出そう……やっぱ止まれ……」
「嫌です」
「……!」
腰が大きく跳ね上がり、熱い精液が喉の奥に勢いよく噴き出した。ドクドクと脈打ちながら、波のように何度も続く。キムラさんの体全体が、しばらく震え続けた。
長い沈黙があった。
キムラさんはしばらく仰向けのまま動かなかった。荒い息が少しずつ落ち着いていく。
「……サンキュ」
低い声だった。
「どういたしまして」
「明日、普通にしろよ」
「もちろんです」
「俺は……こういうことは、また頼むかもしれないし、もう頼まないかもしれない」
「……はい」
「仕事に影響させるな」
「させません」
「お前、案外根性あるな」
キムラさんはそう言って、自分のベッドに戻った。シーツが軋む音。しばらくして、今度こそ規則正しい呼吸が聞こえてきた。
俺は暗闘の中で、口の中に残る濃厚な余韻を感じながら、天井を見上げていた。
翌朝、キムラさんは七時半きっかりに「行くぞ」と言って部屋を出た。
エレベーターの中でも、クライアントの会議でも、帰りの新幹線でも——昨夜のことには一切触れなかった。完璧な業務顔だった。
ただ新幹線の中で、一度だけ。
俺がコーヒーを買って席に戻ると、キムラさんは窓の外を向いたまま小さく言った。
「来月も大阪、あるかもしれない」
それだけだった。
俺は缶コーヒーを両手で握りしめながら、「そうですか」とだけ返した。