【金的中毒体験談】ノンケのラグビー部友達と賭け麻雀、負けたら金玉一発の取り立て——痛みが快感に変わって、俺は自分から負けに行くようになった

大学からの友達で完全ノンケのラグビー部・タケル(26)と、酒の勢いで始めた『負けたら金的1発』の罰ゲーム麻雀。最初は痛いだけだった一発が、半年続いた頃には腹の奥でじんわり温まる射精寸前の波に変わっていた。スニーカーの足の甲で軽く弾かれるたび、俺はノンケのままでいたいのに勃ってしまう。あいつは面白がって嬲りながら『お前のこと人間だと思ってねぇからな』と笑う。それでも俺は今夜も、わざと振り込んで、わざと負ける。そして俺は...

【金的中毒体験談】ノンケのラグビー部友達と賭け麻雀、負けたら金玉一発の取り立て——痛みが快感に変わって、俺は自分から負けに行くようになった

先に行っておく、俺はノンケだ。今はちょっと怪しいが少なくともこの時までは。 タケルとは大学のラグビー部で四年間、同じスクラムを組んできた。卒業して四年経った今も月に二回は俺の1Kに転がり込んできて、勝手に冷蔵庫の缶ビールを開けて、勝手に俺のベッドの足元で寝る。あいつは去年彼女と別れて、俺は二年前に「彼女いない歴=年齢」を更新した。社会人二十六歳、男ふたり、休日の夜の暇つぶし。それが半年前、賭け麻雀の延長で「負けたら罰ゲーム」になり、いつの間にか罰ゲームの中身が「金的1発」に固定された。

最初に言い出したのはタケルだ。三人麻雀で俺がラス、二回連続で振り込んだ夜。あいつはビールの缶を畳に置いて、にやっと笑って、「ノブ、罰ゲームな。金玉一発」と言った。俺は鼻で笑った。冗談だと思っていた。あいつは立ち上がり、俺をジャージごとひっくり返し、開いた股の真ん中に膝をやんわり落とした。膝頭が、布越しに、片側の睾丸を押し潰した。

声が出なかった。下腹部の中心から、知らない神経の束が一気に脳天まで突き抜けた。鳩尾の奥が引き攣れて、目の奥がチカチカして、口の中に薄い金属の味が広がった。胃が一段持ち上がる感じがして、肛門までキュッと縮んだ。膝はすぐに離れたのに、痛みだけが体の中で勝手に増幅していった。タケルは「うわ、ガチで効いた?」と言って、ごめんとは言わなかった。言わずに、声を上げて笑った。崩れて畳に丸まった俺を見下ろして、あいつは「お前のその顔、おもしれぇな」と、心底楽しそうに笑っていた。痛がる男を見て笑える——そういう男だった。大学の頃から、人がコケると一番に笑うのはいつもタケルだった。

俺はその夜、ジャージのまま洗面所にこもって、冷たいタオルで股間を冷やしながら、なぜか勃起していた自分のチンコを見た。痛みでヒリヒリしているのに、亀頭の先からは透明な汁がじわりと滲んでいた。理屈が合わない。理屈が合わないまま、布団の中で何回もその瞬間を反芻してしまった。膝頭の固さ。睾丸が薄い皮の中で潰される、ぬるりとした内圧の感覚。鈍痛が腹の奥で輪っかになって広がる、あの不思議な熱。

それが第一回。半年前。


第二回は二週間後だった。タケルは缶チューハイを六本も買ってきて、わざわざ「今日も罰ゲームありな」と最初に宣言した。俺は「マジかよ」と言いつつ、もう、その瞬間からチンコの根元がきゅんと疼いていた。情けない話だが、俺の体は前回の痛みを「もう一回くれ」と覚えていた。

その夜も俺は振り込んだ。半荘一回目、東二局。狙ったわけじゃないと自分に言い聞かせながら、本当は捨て牌を一つだけ甘く打った。タケルは「はーい、罰ゲーム」と立ち上がり、今度は俺をベッドの縁に座らせて、両膝を開かせた。あいつはしゃがみ込み、右手の人差し指の関節で、ジャージの布越しに、左の睾丸を下からトン、と弾いた。

軽い。なのに、効いた。

「うっ」と短い声が出て、俺は前のめりに崩れた。痛みは前回より浅いのに、しびれの広がり方が長かった。睾丸の表面の薄い皮膚から、内側のぷりっとした実質に向かって、振動が染み込んでいく。腹腔の奥で精管が引き攣れて、その引き攣れが前立腺のあたりまで伝わって、そこで温かい何かに変わる。痛みが、温度に変換される。射精の三秒前の、あのじんわりした立ち上がりに、よく似ていた。

俺はジャージの上から自分の股間を押さえて、無意識に腰を引いた。引いた瞬間、ジャージのテントがタケルの目の高さに浮き上がった。あいつは一瞬、視線を止めた。止めて、それから、ゆっくり顔を上げて俺の目を見た。

「お前さ、」

「言うな」

「いや待て待て、これで勃つの? お前」

「黙れ」

タケルは黙らなかった。にやにやが止まらない、という顔で、あいつはもう一度、人差し指の関節を、今度は反対側の睾丸の下にもぐらせて、ぽん、と軽く跳ね上げた。俺は声を堪えられなかった。喉の奥から「あ゛っ」と低い呻きが漏れて、肩がびくっと跳ねて、ジャージの内側でチンコが完全に反り返った。先走りがパンツに点を打って、布の色が一点だけ濃くなった。

「うわ、マジで勃ってんじゃん。金玉弾かれて勃つやつ、生まれて初めて見たわ」

あいつは腹を抱えて笑った。笑いながら、もう一回、下から、ぽん。

「ほら、また跳ねた。お前のチンコ、正直すぎだろ。なあ、これ痛いの? 気持ちいいの? どっちなんだよ」

「……黙れって」

「いや黙んねぇよ、こんなおもしれぇもん。金玉ぽんってやるだけで、人間ってこんなんなんの?」

俺は答えられなかった。答えられない代わりに、先走りがまた一点、布の色を濃くした。タケルはそれを見て、にやっと笑って、それから一瞬だけ、笑いを引っ込めた。

「ふーん」

笑いの止まった、その三秒の「ふーん」が、たぶん、半年間続くこの罰ゲームの本当のスタート地点だった。


第三回からは、麻雀すらしなくなった日があった。

「ノブ、今日は何で勝負する?」とタケルが聞いてくる。「腕相撲でいいよ」「腕相撲はお前が勝つだろ」「だから罰ゲーム受けるのお前じゃん」「あ、そっか」みたいな、間の抜けた会話の後、俺たちは床に肘を突き、組んだ手を握り合い、五秒で俺が負ける。タケルはラグビーの第一線で四年やってきた前腕の塊で、俺は週二でジムに行く程度の事務職だ。勝負にならない。勝負にならない、と、自分でわかっていて、それでも俺は腕相撲を選ぶ。

その夜、タケルは初めて、俺のジャージとパンツを下ろさせた。

「あ、いや、今日のは強めにいくから、布あると逆に痛いだろ」

そういう言い訳だった。たぶん、本当に、それは言い訳だった。あいつはノンケで、男の裸を直接視界に入れることに本当はまだ抵抗があって、でも、罰ゲームを口実にすれば見ていい、という構造を、無意識に組み立てていた。俺はそれを察していて、察した上で、黙ってジャージとボクサーパンツを膝まで下ろした。

外気が、剥き出しの睾丸の薄皮に触れた。畳の上に正座した俺の股の間で、二つの実は冷えて、少しだけ縮んでいた。チンコは半勃ちだった。タケルは目を逸らさなかった。目を逸らさず、しかし「お前の竿」は見ないようにして、視線を「金玉」だけにロックしていた。あいつの中では、たぶん、「金玉」は男性器ではなく、ただの的だった。

タケルはスニーカーを履いた。室内で。「家の中で土足はやめろ」と俺が言ったら、「足の甲だけ使うから」と返ってきた。あいつは右足のつま先を畳に着けて、足の甲を平らにして、それを下から、すくい上げるように、俺の股間に当てた。当てて、二、三センチ、ぽん、と跳ねさせた。

「うあ……っ」

睾丸の片方が、足の甲の固い面に弾かれた。布越しじゃない。直接。直接の打撃なのに、足の甲を使った「すくい」だから、衝撃は分散していた。痛みは深く、でも鋭くなかった。鈍く重く、腹の中まで沈み込み、そして、戻ってきた。

戻ってくる感覚を、俺はこの夜、初めて意識した。

打撃が金玉に入る。痛みが下腹に上がる。下腹で痛みが「熱」に変わる。熱が前立腺の裏側でゆっくり回って、回りながら、もう一度、玉の方へ降りてくる。降りてくる頃には、痛みは消えていて、代わりに、射精の前の三秒間に似た、あの、馬鹿みたいに気持ちのいい予感だけが残る。

俺はそれを、心の中で「お釣り」と呼んだ。

タケルが弾く。痛い。痛みが消える。お釣りが来る。お釣りが、ふわっと、亀頭の裏側まで戻ってくる。チンコが、勝手にビクッと跳ねる。先走りが、薄く糸を引いて、畳に落ちる。

「お前、垂れてるぞ」

タケルが言った。嘲っていた。でも、嫌そうじゃなかった。むしろ、面白くてたまらない、という顔で嘲っていた。あいつはラグビーで四年間、どこを押せば男が崩れるかを面白半分で試してきた男だ。人がコケれば笑い、潰れれば手を叩く。今あいつは、俺の睾丸を、新しいオモチャだと思っていた。痛がるノブより、勃たせて困ってるノブの方がよっぽど笑える——そういう顔で、足の甲をぽんぽん弾ませながら、にやにやしていた。

「どこが一番効くの?」

「は?」

「いや、お前さ、さっき、右の方ぽんってやった時、一番情けない声出したじゃん。あれもう一回聞きたいんだけど」

「……知らねぇよ」

「いや、知ってんだろ。お前の玉だぞ。教えろよ、面白いから」

俺は知っていた。右の方が、ほんの少しだけ、敏感だった。ほんの少しだけ、お釣りの戻りが大きかった。でも、それを自分の口で言ったら、もう、罰ゲームでもなんでもなくなる気がした。俺は黙った。タケルは「言わねぇんだ、ふーん」と、また、あの笑いの止まった三秒の「ふーん」を言って、それから、ご丁寧に右の玉だけを、もう三回、ぽん、ぽん、ぽん、と弾いた。俺の声でかさを、自分で確かめるみたいに。


四ヶ月目あたりから、ルールが少しずつ変わっていった。

罰ゲームの「一発」は、最初は文字通り一発だった。それが、いつの間にか、「最大三発まで、強さはタケルの裁量」という条文が、あいつの気分で口頭で追加されていた。三発が二発で済む夜もあれば、一発が五秒置きに繰り返される夜もあった。タケルは俺の表情を見ながら、面白がって強さを決めた。あいつは、俺が痛みで顔を歪めるラインと、お釣りで腰を引きそうになるラインを、ゲームみたいに見分けては、にやにやするようになっていた。

増えたのはルールだけじゃなかった。手順も、あいつの揶揄いで一つずつ変わった。

「今日から自分で脱げよ。俺が脱がすの、なんかホモみたいじゃん」

そう言って笑うあいつの言い訳に、俺は黙って従った。ジャージとパンツを、自分の手で、膝まで下ろす。「玉、自分で持ち上げて見せろよ」と無茶を言われれば、俺は両手で陰嚢を下から支えて、剥き出しの二つを、あいつの目の高さに差し出した。差し出しながら、自分がもう「罰を受ける側」ですらなく、「差し出して笑われる側」になっているのを、わかっていた。わかっていて、勃っていた。タケルは「お、いいじゃん、よく見える」と笑って、その差し出された玉を、下から、ぽん、と弾いた。

ある夜、タケルが言った。

「ノブ、立てよ」

俺は立った。下半身は最初から脱がされていた。膝が震えていた。畳の上で素足のつま先が冷えていた。タケルは俺の真正面に立って、俺の睾丸の高さに右足の足首をしならせ、足の甲の硬い部分を、下から、垂直に、ゆっくり、当てた。

当てて、押した。

「あ、ぐ……っ」

蹴られたんじゃない。押されていた。足の甲が、二つの睾丸を、下から、骨盤の方へ、ゆっくり押し上げていく。睾丸が、本来あるべき位置から、半分くらい、腹腔の方へ引き込まれていく。あの、男なら誰でも知っている、玉が腹に逃げる感覚。逃げる玉を、タケルの足の甲は、追いかけて、押し続けた。

俺は声を出す余裕がなかった。下腹が、内側から、ぎゅう、と絞られた。胃が持ち上がって、息が止まって、汗が、額から、こめかみを伝って、顎の先で止まった。タケルの足の甲は、一定の力で、押し続けた。「お、逃げた逃げた。腹に隠れんなって」と、あいつは笑いながら、逃げる玉を、足の甲で、追って、押した。痛みは、頂点を越えると、別の何かに変わった。

別の何か、というのは、たぶん、快感と呼ぶしかないものだった。

俺のチンコは、押されている玉とは無関係に、勝手に、完全に勃った。完全に、というのは、亀頭が反り返って、皮が完全に剥けて、先走りが、糸ではなく、滴になって、畳の上に、ぽたり、と落ちる程度に、ということだ。タケルは足の甲を、そのままの位置で、止めた。止めて、俺の勃ちきったチンコを、しげしげと見下ろして、噴き出した。

「触ってねぇぞ、俺」

「うん……」

「お前のチンコ、一回も触ってない」

「うん……」

「玉踏んでるだけで、そうなんの。お前ってもう、人間っつーか、玉押すと汁出る機械じゃん」

笑いながら言われた。あいつの中で、俺はもう「勃つ友達」ですらなくて、「押すと反応する装置」だった。それが、どうしようもなく、効いた。

「……お前のせいだから……」

「俺のせい? いや、勝手に汁垂らしてんのお前だろ」

タケルは三秒、笑いを止めた。それから、足の甲を、ゆっくり、引いた。引いた瞬間、押し込まれていた玉が、本来の位置に、ぼとっ、と落ちた。落ちた瞬間、俺は崩れた。膝が抜けて、畳に尻もちをついて、両手で、自分の股間を覆って、肩を震わせて、声にならない呻きを、一回、長く、吐いた。

射精は、しなかった。していない。していないのに、射精の後の、あの、空っぽになった感じが、下腹の奥に、ぼんやり広がった。寸止め、というには、刺激の場所が違いすぎた。チンコは一度も触られていない。なのに、俺の体は、射精に「準じる何か」を、一回、終えていた。

タケルは俺を見下ろして、しゃがんで、俺の肩を、ぽん、と叩いた。

「アイス、持ってきてやるから、冷やせよ」

冷蔵庫から保冷剤を持ってきて、タオルでくるんで、俺の股間に押し当てたのは、あいつだった。俺の睾丸を冷やした。冷やしながら、にやにやして、テレビをつけて、深夜のバラエティを、半分見ながら言った。

「ノブ」

「ん」

「俺、お前のこと、人間だと思ってねぇからな」

あいつは笑っていた。からかうみたいに、軽く。

「お前さ、もう人間っつーより、玉ついたオモチャだろ。押すと鳴いて、汁出して、勝手に勃つ。犬以下じゃん、それ」

「……うん」

俺は、否定しなかった。否定する代わりに、保冷剤の下で、まだ半分勃ったままのチンコが、びくっと跳ねた。あいつはそれに気づいて、また笑った。

「これは、罰ゲームだから。お前が勝てば終わる話。なのにお前、勝たねぇんだもんな」

図星を、笑いながら刺してくる。俺は、勝たない、とは言わなかった。あいつは、勝てばいい、と言いながら、たぶん、俺が勝つことを望んでいなかった。人間扱いされない側と、扱わない側。俺たちはそういう、嘘の上に薄く張った氷の上を、お互いに足音を立てずに歩いていた。


半年経った今夜、俺は、わざと振り込む。

一索を切れば通る。それはわかっている。わかった上で、俺は三筒を切る。タケルは目を細めて、自分の手牌を倒し、「ロン、満貫」と言う。

「罰ゲーム」

俺は、もう、ジャージを脱ぐ手順を、何も言われなくても始めている。畳の真ん中に正座して、両膝を肩幅に開いて、両手は太ももの上に置いて、背筋を伸ばす。半年で覚えた姿勢だ。視線は、タケルの足元の、スニーカーの白いつま先に、固定する。

タケルは缶ビールを一口飲んで、立ち上がる。あいつは、今夜も、スニーカーの足の甲を使う。今夜は「五発、強さは控えめ、間隔は一定」と俺の体に告げる。告げる、というのは、最初の一発の入り方で、俺がそれを読み取る、という意味だ。

一発目。下から、軽く、左の玉。痛みが、腹の奥で、ぽっと、火を灯す。

二発目。同じ強さで、右の玉。火が、二つになって、腹腔の中で、ふわっと、合流する。

三発目。少しだけ強く、真ん中、両方の玉のあいだ。火が、上に登る。前立腺の裏側で、ゆっくり、回る。

四発目。一発目と同じ強さに戻る。左の玉。火が、回りながら、戻ってくる。お釣りが、亀頭の裏側に、ふわっと、触れる。

五発目。タケルは、間隔を、わざと、半拍ずらす。半拍ずらした分だけ、俺の体は、構えを失う。失った構えの中に、最後の一発が、下から、ゆっくり、入る。

入った瞬間、俺は、声を出す。

「あ……」

声は、もう、痛みの声ではない。痛みは、最初の二発で、終わっている。今俺が出している声は、お釣りの、あの、戻りの波の、頂点で、勝手に漏れる声だ。チンコは、完全に、勃っている。先走りは、糸を引いて、畳の、決まった一点に、落ちている。半年で、その一点だけ、染みになっている。

俺は、射精しない。射精しないまま、絶頂の手前で、ぴたっと、止まる。止まったまま、長く、息を、吐く。

タケルは、足を引く。スニーカーを脱ぐ。冷蔵庫から、保冷剤を、取りに行く。タオルでくるんで、俺の股間に、押し当てる。あいつは、にやにやして、テレビを、つける。深夜のバラエティが、流れる。

「ノブ」

「ん」

「俺、お前のこと、人間だと思ってねぇからな」

「うん」

「玉ついたオモチャ。押すと汁出る、俺専用の」

「うん」

あいつは、それを、責めるみたいにも、口説くみたいにも言わなかった。ただ、世界で一番おもしれぇオモチャを見つけた、みたいな顔で、笑いながら言った。人間扱いされないことが、こんなに体の芯まで届くなんて、半年前の俺は知らなかった。

「これは、罰ゲームだから。お前が勝てば終わる話」

「うん」

俺は、わざと振り込んだ、とは、言わない。あいつは、わざと負けに行ってる、と、知っている。知っているけど、言わない。俺たちは、半年、その「言わなさ」の上で、ずっと、薄い氷の上を、足音を立てずに、歩いている。

明日、あいつはまた来る。来週も、再来週も。あいつは、今日も俺の金玉を、スニーカーの足の甲で、五発、ぽん、ぽん、と面白がって弾く。俺は、半年前まで、痛みしか知らなかった。今は、痛みの後に来る、あの、温かい、馬鹿みたいに気持ちのいい、お釣りの戻りを、知っている。

知ってしまった、と言うべきかもしれない。

知ってしまったから、俺は、勝てない。勝てないんじゃない。勝たない。一索を切らずに、三筒を切る。それだけのことを、半年、繰り返している。

保冷剤を当てたまま、タケルは欠伸混じりに言う。「来週も負けろよ」。命令でも、誘いでもなく、ただの軽口みたいに。俺は「うっせ」とだけ返す。それが、たぶん、俺たちの一番正直な会話だった。

俺は、ノンケのままだ。あいつも、ノンケのままだ。あいつにとって俺はもう人間ですらないのに、俺たちは、ノンケのまま、半年、この、罰ゲームを、続けている。

たぶん、来週も、続ける。

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