ノンケの俺が、ジムの先輩に乳首だけで2時間嬲られて――前を握らせてもらえないまま射精した夜、ノンケのプライドは粉々に砕けた

彼女持ち体育会卒・25歳のノンケが、ジムで意気投合した35歳の先輩に「前は触らない・尻も挿れない・乳首だけ」で2時間嬲られた一夜。手首をネクタイで縛られ、前を握れないまま胸の先だけで腰を振らされ、人生で初めて握られずに射精する。後日、彼女の前で乳首が反応してしまう自分に怯える、ノンケのプライドが粉々に砕ける長時間焦らし体験談。

ノンケの俺が、ジムの先輩に乳首だけで2時間嬲られて――前を握らせてもらえないまま射精した夜、ノンケのプライドは粉々に砕けた

「お前の乳首、ピンクで綺麗だな」

そう言われた瞬間、酔いが半分すっと醒めた気がした。残り半分は、いまも俺の中で居座っている。あの夜から、彼女と寝るとき、俺は無意識に左腕で胸を隠すようになった。シャツを脱ぐ前に必ずエアコンの温度を下げる。寒くて勃つことにしておけば、まだ言い訳が立つから。

──いまから話すのは、その癖がつく前の、最後の夜の話だ。


俺、イツキ。二十五。彼女と付き合って一年ちょい。営業で外回り、夜は週四でジム。学生のときは柔道部で、いまも背中と肩には嫌でも筋肉がついている。女としか付き合ったことがないし、男に触られて何かを感じるなんて、考えたこともなかった。ごく普通の男。そう信じて疑っていなかった。あの出来事まではな。

先輩――リョウさん、三十五歳。同じジムの常連で、フリーウェイトの順番待ちで世間話をするうちに飲みに行く仲になった。声が低くて、笑うとき口の端だけ上がる人。あとから知ったが、ゲイだ。本人が言ったわけじゃない。気づいただけだ。視線の置き方が違う。俺の鎖骨と、上腕と、首筋を、品定めするみたいに撫でていく。最初は気のせいだと思った。三回目に飲んだ夜には、もう気のせいじゃないとわかっていた。

それでも俺は、その人の家に上がった。

「上で休んでけよ。終電もう無いだろ」

タワマンの十八階。間接照明、ローテーブルにウイスキー、低く流れるピアノ。彼女の部屋とはまるで違う、男の城の匂い。革と、煙草を吸わない人間の、清潔な汗の匂い。そこに俺は、Tシャツ一枚で胡座をかいて、もう一杯だけ、と笑っていた。

「イツキって、胸板すごいよな。柔道のときから?」

「まあ……一応、現役のときは」

「ちょっと触らせてくれよ。同じ筋トレ仲間として、参考にしたい」

「なんすかそれ、ははっ。まあ、減るもんじゃないっすけど」

男同士のふざけ合い、その程度のノリだと思っていた。だから軽く笑って、胸を張ってみせた。

ここが分岐点だった。俺はその分岐点で、迷わず最悪の方を選んだ。

リョウさんの掌は冷たかった。氷で冷やしたグラスを握っていたからだ。その冷たい手が、Tシャツの裾から滑り込んできて、肋骨を一本ずつ数えるみたいに撫で上がる。背筋がぞわっと震えた。寒気じゃない。何かもっと、嫌な方向に近い、震え。

「ここ、ピンクなんだな」

シャツがめくれて、左の乳首が外気に晒された。指の腹が、円を描くように、輪郭をなぞる。

「……ちょ、先輩、なにしてんすか。やめてくださいよ、ははっ。なんか、変な感じっす」

「変ってどんな?」

「むず痒い、っていうか」

「じゃあ、もうちょっと、はっきりさせてやるよ」

先輩はそう言って、つまんだ。爪ではなく、指の腹で、軽く。それだけで腰の奥が、ひゅっと縮んだ。冗談だろ、と思った。彼女に揉まれたって、何も感じなかったところだ。なのに、ピリッ、と電気が走って、ジーンズの中で、俺の前は、ほんの少しだけ反応した。ほんの少し。誤差みたいなものだ。だから俺は、へらへら笑って茶化した。「先輩、それ完全に変態のやつじゃないっすか」って。笑い飛ばしておけば、なかったことにできる。そう思っていた。

それが合図だったのかもしれない。

「変態じゃないって。実験だよ、実験。ノンケの乳首って、どれくらい開発できるのか、興味あるんだ」

「は? ノンケって、なんすか。てか開発って……先輩、マジで酔ってるでしょ」

「そのうち、嫌でも意味わかるよ」

「黙ってろよ」

笑いながら言うから、本気か冗談かわからない。次の瞬間、先輩は自分の首から、シルクのネクタイをするっと抜いた。ジムの帰りなのにネクタイを持っていたこと自体、いま思えば仕込みだったんだろう。俺の両手首が、後ろ手じゃない。前で重ねた状態のまま、頭の上に持ち上げられて、ソファの背もたれの上の、金属のフックに結び付けられた。バンザイの格好で、両手が止まる。

「ちょ、先輩、マジすか、これ。冗談きついって、ほどいてくださいよ」

笑ってはいた。半笑いで、まだ、遊びの範囲だと思おうとしていた。でも声の端が、少しだけ、上ずっていた。

「五分でいい。五分だけ我慢しろ。痛かったらすぐ解く」

ここで「やめてください」と本気で言えば、終わった話だった。俺は言わなかった。痛くなかったから、というのは半分嘘だ。残り半分は――興味、だ。「乳首って、どれくらい開発できるのか」というその言葉が、俺の中で、ぴくっと跳ねた。それが、いちばん認めたくない事実だ。


最初の十分は、まだ笑えた。

先輩は、酒の氷を口に含んで、その冷たい舌で、俺の右の乳首をぺろっと舐めた。「ひっ」と俺の喉が鳴る。次に温い舌。冷たい、温かい、冷たい、温かい。交互に来る。乳首だけが、自分の体から切り離されて、独立した別の臓器みたいに、ピリピリと存在を主張し始める。

「息、止めるなよ。深く吐けって」

「は……、はぁ……っ」

「いい子だ」

いい子、という言葉が、思いのほか深く刺さった。彼女には言われない言葉だ。男に「いい子」と言われると、こんなにも、腹の底が熱くなるのか。知らなかった。知りたくもなかった。

二十分目、先輩は唇に変えた。柔らかい唇で、輪郭の外側だけを、ふ、ふ、ふ、と小刻みに啄む。乳輪が、自分でもわかるくらい、ぷっくり盛り上がっていく。先端は、もう、芯が通って、コリッと立っている。先輩はそれを、唇に挟んで、引っ張る。引っ張って、離す。引っ張って、離す。糸を引きそうなくらい、ゆっくり。

「ぁ、ちょ、それ、ヤバい、ヤバい」

「ヤバいって、どっちの意味?」

「……っ、わかんない」

「わかんない、か。じゃあ、もう少し、ちゃんとわかるように、してやる」

三十分。下着の中が、ぬるっとした。先走り。誰にも触られていないのに、俺の前は、勝手に泣いていた。ジーンズ越しでも、染みがわかるくらい。先輩はちらりとそこに視線を落として、ふっと低く笑った。

「お前の前、もう、こんなんなってる」

「触らないで、ください……っ」

「触らないよ。最初に言っただろ。前は触らない。尻も挿れない。乳首だけだ」

ここで安心したのが、いちばんおかしい。安心したのだ。「触られない」ということに。前を触られたら、本当に終わるという予感が、俺の中にすでにあった。だから「触らない」と言われて、まだ引き返せる、まだ自分は普通の男のままでいられる、と思った。馬鹿だ。胸の先っぽをいじられてるだけだ、こんなの浮気にも入らない――そう高を括っていた、その傲慢さこそが、命取りだった。

四十分を過ぎた頃、俺はもう、両手首のネクタイを、本気で引いていた。前を握りたかった。射精したいんじゃない、ただ、握りたい。布越しでもいい、押さえつけたい。あの圧が、欲しい。乳首をいじられるたびに、ピンッ、ピンッ、と、腰の奥のもっと深いところまで電気が走って、その電気が、行き場を失って、内側で渦になる。前は、痛いほど立っている。下着のゴムに引っかかって、上を向いたまま、限界まで膨らんで、亀頭が布で擦れるだけで、声が出そうになる。

「先輩、お願い、これ、解いて、自分で、自分でやるから……っ」

「ダメ。今日は、手使わせない」

「なん、で……」

「乳首だけでイけるって本当か、試してみたいんだ。お前で」

ぞわり、と、頭の芯が痺れた。


一時間。先輩は本格的に「歯」を使い始めた。

最初は前歯で軽く挟むだけ。次に犬歯。コリッ、と、立った乳首の根元に、犬歯が当たる感触。痛みじゃない。痛みの一歩手前で、止まる。止まって、舌が、その痛みの予感を、すぐに舐めて宥めにかかる。痛い、優しい、痛い、優しい。アメとムチ、なんて言葉じゃ追いつかない。俺の脳みそが、その二択の往復で、揺さぶられて、軋む。

「あ、ぁ、ぁ、せん、ぱい、それ、それ、ダメ……っ」

「ダメじゃないだろ。ほら、お前の腰、勝手に動いてる」

腰が、浮いていた。ソファの上で、ジーンズの腰が、宙を蹴るみたいに、リズムを刻んでいた。誰にも触られていない前を、空中に向かって、突き上げるように、揺らしていた。みっともない。情けない。なのに止まらない。止め方が、わからない。

「乳首だけで腰振ってんの、自覚ある? ノンケのくせに」

「……っ、ぃや、ちが、ちがう……っ」

「違わないよ。鏡、見るか?」

ローテーブルの脇の姿見に、ちらりと自分の姿が映った。バンザイで吊られて、シャツを胸の上までめくられて、唾液で濡れて赤く膨れた乳首を二つ晒して、汗だくで、腰を振っている、二十五歳の男。柔道で鍛えた肩も、自慢の胸板も、その姿の前では、全部、飾りだった。むしろ、ガタイがいいぶん、滑稽だった。

「キス、しよっか」

「……は?」

「いや、しないよ。お前、ノンケだもんな。キスは、ダメだろ。彼女のもんだもんな」

そう言って、先輩は、俺の唇の手前で、止まった。鼻先がかすめるくらいの距離で、止まって、その代わりに、また乳首を吸った。今度は、長く、深く、口の中に含んで、頬がへこむくらい、強く吸引した。じゅっ、という、聞いたこともない湿った音が、自分の胸から鳴る。乳輪ごと、引き込まれる。

「ぐ、ぅ、ぅあ、ぅあ、あ、待っ、待って、おかしい、なんかおかしい、これ」

「気持ちいいだろ」

「気持ち、わるい、気持ち、わる――……ぃ、いい、いい……っ」

途中で言葉が裏返った。自分の喉から出た「いい」という音が、自分でも信じられなくて、俺は、しまった、という顔をしたと思う。先輩は、それを、見逃さなかった。


一時間半には、もう、時計を見る余裕はなかった。

先輩の指は、左の乳首を、爪の腹で、コリ、コリ、コリ、と、メトロノームみたいに正確に弾き続けていた。リズムが一定だから、逃げられない。乱れてくれたら気を逸らせるのに、一定だから、俺の体が、そのリズムに飼い慣らされていく。コリ、コリ、コリ、コリ。心臓の音と、混ざる。心臓の音と、乳首の振動が、同期する。

右の乳首は、舌の上に乗せられて、転がされていた。コロ、コロ、コロ。これも一定。左はコリッ、右はコロッ。違うオノマトペが、同時に、別々の神経を、撫でていく。俺の脳は、その二つを処理しきれなくて、勝手にショートしては、また戻ってくる。戻ってくるたびに、感度が上がっている。確実に、一段ずつ、上がっている。

「イツキ、お前の乳首、もう、勝手にビクついてんぞ」

「し、知ってる……、自分で、わかる……っ」

「自分の乳首、好きになってきた?」

「ち、違う、好きじゃ、ない……っ、ただ、ただ……」

「ただ?」

「……っ、ただ、止めない、で……」

言ってしまった、と思った瞬間には、もう遅かった。先輩が、低く、息を吐いて笑った。勝った、と言わんばかりの吐息だった。

「いい子だ、イツキ。すごくいい子。じゃあ、ご褒美、やる」

ご褒美――。

それは、もう、休ませてくれることじゃなかった。逆だった。先輩は、両方の乳首を、同時に、強く吸い上げた。左右同時。ぢゅっ、と、間抜けな、けれど致命的な音が、二つ、重なって、俺の胸の真ん中から鳴った。

腰が、跳ねる、というより、跳ね飛んだ。ジーンズの中で、前が、ぐぐぐっ、と、限界を越えそうな脈動を始めた。来る。来る、来る、来る、誰にも触られていないのに、来る。

「やだ、やだ、やだ、先輩、止めて、それ止めて、止めて、出る、出るって、止めて――……っ!」

哀願した。彼女に「もう少しゆっくり」と頼んだことすらない俺が、初めて男に向かって、「止めて」と、何度も、何度も、繰り返した。「止めて」が、いつのまにか「止めないで」に聞こえるように、自分の耳にも届いていた。けれどもう、止め方を知らない。

先輩は、止めなかった。

最後の三十秒、先輩は、両方の乳首を、噛んだ。歯を立てて、軽く、けれど、確実に、痛みになる強さで。痛みと、快楽の境界線が、消えた。ぱきっ、と、頭の中で、何か細い骨みたいなものが、折れる音がした。たぶん、それが、俺が後生大事に抱えていた、普通の男としての最後のプライドだった。

「あ、あ、あ、あ、ぃ、く、いく、いっちゃ……っ、せん、ぱ……っ、せんぱい、せんぱい、せんぱい――……ッ!!」

ジーンズの中で、俺は、自分の手も、先輩の手も、誰の手も借りずに、ただ乳首だけで、射精した。

一度では終わらなかった。脈打つたびに、乳首が、また反応する。乳首が反応すると、また脈が来る。前を握らせてもらえないから、射精が、終わらない。ぬるい液体が、下着の中で、太腿の内側を伝って、ジーンズの太腿の布まで滲んでくる。匂いが、自分でもわかった。甘くて、生臭くて、惨めな、湿った匂い。

俺の喉は、もう、声を出していなかった。ヒューヒュー、と、空気だけが鳴っていた。涙が、こめかみを伝って、耳の中まで入っていく。視界の端で、先輩が、ようやく俺の手首のネクタイを、ゆっくり、ほどいた。

「えらかったな、イツキ」

低い声が、頭のてっぺんから、入ってきた。「えらかった」。その一言で、俺はまた一段、深いところに落ちた気がした。


二時間。たぶん、もう深夜の一時を回っていた。

俺は、先輩のソファの上で、Tシャツを胸までめくられたまま、放心していた。乳首は、二つとも、唾液と歯型と、口紅みたいな鬱血で、別人のものみたいに、赤黒く腫れていた。触れていないのに、ピリピリと、まだ、存在を主張している。心臓と同じ拍で、ずっと、脈打っている。

「シャワー浴びてけ。それと、これ」

差し出されたのは、先輩のスウェット。下着まで、用意されていた。あらかじめ、こうなる前提で、揃えてあった、ということだ。俺は、何も言えずに、それを受け取った。受け取った自分の指が、震えていた。「これは敗北じゃない」と、自分に言い聞かせるためには、もう、震えが邪魔だった。

帰り際、玄関で、靴を履きながら、先輩は、後ろから、俺の背中に、ひと言だけ言った。

「イツキ、また来いよ。乳首、もっと開発してやる」

俺は、答えなかった。答えられなかった。「行きません」と言いたかった。「もう二度と」と言いたかった。けれど、口を開けば、別の言葉が出る気がして、俺は、ただ、ドアを閉めた。

タクシーの中、ジーンズの内側で、まだ濡れている下着の感触を、太腿に感じながら、俺は、シャツの上から、自分の左の乳首を、そっと、指でなぞった。ピリッ、と、電気が走った。タクシーの運転手に気づかれないように、俺は窓の外を見るふりをして、息を、深く、吐いた。


それから一週間後、彼女と寝た。

ベッドの上で、彼女が、何気なく、俺の胸に、唇を寄せた。ほんの軽い、お遊びのキスだった。彼女は、これまで、俺の乳首になんて、興味を持ったことはなかった。たまたま、その夜、たまたま、軽く、唇が、触れた。

その瞬間、俺の腰が、跳ねた。

彼女の手が止まった。「え?」という顔をした。俺は、慌てて、「くすぐったかっただけ」と、笑った。笑いながら、心臓が、ばくばく鳴っていた。彼女は、首を傾げて、もう一度、その場所に、軽く、唇を当てた。

俺の前は、勃たなかった。

勃たなかった、というより――乳首の方が、前より、先に、ピリッと反応した。

その夜、俺は、彼女の中で、上手く射精できなかった。彼女は気にしないふりをしたけれど、寝顔の眉間に、薄く、皺が寄っていた。俺は、暗闇の中で、自分の左の乳首を、布団の下で、そっと指で押してみた。

ピリッ、と、電気が走った。

その電気の先に、先輩の低い笑い声が、聞こえた気がした。

「イツキ、また来いよ」

俺は、来週、また、ジムに行く。行かない、という選択肢が、もう、自分の中に、無いことを、知っている。彼女に「ジム、頻度減らそうかな」と言われた夜、俺は、「いや、続ける」と即答した。即答した自分の声の固さに、俺自身が、いちばん、ぞっとした。

女しか知らなかった頃の俺は、たぶん、あの夜、ソファの上で、もう、粉々に砕けたんだと思う。砕けたまま、俺はそれを、誰にも見せられない場所に、押し込んで、まだ、彼女と暮らしている。

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